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用語解説#07

2021年12月19日(日) 21:00:54
12月19日放送のディスカバー・クイーンでは、「銅鑼のサウンドが用意できなかったので、代わりにホワイト・ノイズを用意してみました」と、何の説明もなく専門用語を発してしまい「は?」って思った方もいらっしゃったんじゃないでしょうか。そのあと「こんなサウンドです」とシンセで音を出したので、何となく「ああそんな音ね」と思われたかもしれません。

そんなわけで今回のテーマは補足です。

ホワイト・ノイズ

ホワイト・ノイズというのは一般的には「全ての周波数を均等に含む音」なんていわれますが、イメージしづらいですね。要するに、深夜に放送が終わった後のテレビから出る音とか、FMラジオの局が受信できないときに出る音とか、そういったサーーって聴こえる音です。

銅鑼も大概ものすごく広いレンジの倍音をもっていますが、ホワイト・ノイズはそれ以上なので、番組で紹介した「フェイザー」というエフェクターの「ジョワ~~ン」とうねっていく効果がよりはっきりわかるのではないかと、ホワイト・ノイズを選んだのです。

世にあるほぼ全てのシンセサイザーは、このホワイト・ノイズを何らかの形で生成する機能を持っています。

ホワイト・ノイズを加工することで、風のようなサウンドを作ったり、口笛のようなサウンドを作ったり、また海の波のような音を作ったりできます。初代ウルトラマンの変身音もホワイト・ノイズを加工したものです。

またホワイト・ノイズに対応した言葉で「ピンク・ノイズ」というものがあります。これは聴いた感じ「ザーー」といった、ホワイト・ノイズよりもダークな音で、加工によって、地鳴りのような音だったり、雷鳴のような音だったり、また爆発音のような音も作ることができます。

この「全ての周波数を含む」という極めて人工的なホワイト・ノイズという電子音が、様々な自然界の現象に近似できるというのは、とても興味深いことのように感じます。